料理に良く使う砂糖、その効果を理解しよう
1・防腐効果
ジャム・瓶詰めの佃煮などを、常温においていても腐りにくいです、これは砂糖が食品の水分をかかえこみ、微生物がその水分を利用しにくくなるからです。
2・柔らかくする
肉柄尾調理する際、砂糖を振ってから調理すると、肉の組織の間に入り込んだ砂糖が水分をひきつけ、タンパク質の一種「コラーゲン」と水が結びつくのを助け、肉が柔らかくなる。
3・泡立ちの保持力
メレンゲを作るとき、砂糖を入れると泡を形成する卵白のタンパク質の水分を砂糖がかか込み、泡が安定するので、泡立ちがよくなり、泡同士のくっつきを抑えてきめ細かな状態を保つことができます。
4・醗酵促進力
パンをつくる際砂糖を加えると酵母の働きが活発になり、それによって発生する炭酸ガスで生地がほどよく膨らみ、ふっくらと仕上がります。
5・食品の造形力
砂糖を加えると、食感や形態など、その食品の物性を変える(粘り・弾力など)ことができます。これは砂糖の造形効果と呼んでいます。
6・でんぷんの老化防止
砂糖を加えた食品は、砂糖の親水性によってデンプン分子のすき間から水を奪い、糊化状態を保つことができます。飴や羊羹、餅菓子、すし飯などが固くなりにくいのは、このためです。
7・たんぱく質の熱凝固性改善力
砂糖には、タンパク質の熱凝固を左右する力があります。卵液に砂糖を加えると凝固温度が上昇し、固まりにくくなります。この性質を利用してカスタードプリンなどをつくる際も、砂糖を加えることで卵や牛乳の凝固温度が高くなり、よりやわらかでなめらかな口あたりになります。
8・油の酸化を防止する
生地などを作るとき、砂糖を加えると油の中の水分が砂糖と結合して、酸素がとけこみにくくなり、酸化防止抑制をし、臭みも無く、老化しにくくなる。
9・分散性をよくする
水に溶かした片栗粉に、砂糖を入れておくと、片栗粉などのデンプンが沈まない。これは、デンプンの分子の間に入りこんだ砂糖が水分に強く働きかけているからである。
10・ゼリー化を助ける
ジャムやママレードがトロリとしたゼリー状になるのは、砂糖が水分と結合しやすいからである。
11・焼色をつける
クッキーやパンなどに焼き色がつくのは、糖が小麦粉や牛乳、卵などに含まれるアミノ酸と反応してできる物質のためである。
12・煮つめる温度で形状が変化する
104℃…シロップ 115℃…この時点で急冷し、かき混ぜるとフォンダン
130℃…キャラメル あめ 150℃…べっこうあめ 160℃以上 …カラメル
如何でしょう、けっこう効果がありますよね、ひとつだけの効果ではなく料理を作る際、重複してそれぞれ効果があります。実際、私も昔は甘さを加えるだけと思っていましたが、時がたつにつれ、いろいろな効果を実感しました。たとえば、メレンゲを作る際、砂糖は数回に分けて使うと、よりしっかりした、きめの細かいきれいなメレンゲが出来ます。照り焼きを作る際、砂糖を多めに加えて作ると、照りとつやが出ます。この代表は、北京ダックの皮目の焼き色・うなぎの蒲焼の表面などがそうです。味覚的に甘さが気になるのであれば表面だけに砂糖濃い目のものを塗って焼きます。クレームブリュレは、砂糖をよく溶かし込んで、低温のオーブンでじっくり焼き上げれば(要は卵黄が固まりだす温度を、時間をかけて火を通す)、とても滑らかに仕上がります。その他に、これはすごく重要だと考えていますが、どこの家庭も、おばあちゃんの作る料理はどこか優しく甘みがあり、おいしく感じます。私は、昔の人は道具とかも少なく、火加減も調整しにくい中で長年の経験で、砂糖とそのほかの材料とかの調和と時間を使った個々の能力だと考えます。それと、女性特有のおしゃべりが好き、近所話をしているときの知恵の出し合いだったのだろうと思います、私の母も良くそんなことをだべっていたのを記憶します。
いかがでしょう、ひとことでは説明できない効用がたくさんあります。
日々料理することで、覚えていけると思います。
0コメント